目次
○エンジンオイルの役割は潤滑剤としてだけじゃないってしてました?
○たくさん並んだエンジンオイルに粘度・規格て書かれているけど分からない。
○高性能オイルだから自分の車に合うとは限らない。失敗しないエンジンオイル選び。
○どんなに良いオイルでも交換時期を過ぎると性能は発揮できません。
こんにちは、店長の鈴木です。
コロナも少しずつ改善してくことを望む今日この頃です。
当店はライトパーツを主に扱っているんですが、私の趣味といいますかオイルや添加剤などもあつかっているんです。
その中でお客様からよく聞かれるのは「どのオイルが良いのですか?」とか、「粘度ってなんですか」、「どのオイルが合うのですか?」なんて聞かれます。
今回は簡単な基礎知識をお伝えしたいと思います。
○エンジンオイルの役割は潤滑剤としてだけじゃないってしてました?
エンジンオイルって、茶色でドロドロ・ヌルヌルしているエンジンに入れる液体ですよね~
普通の方は、整備工場やガソリンスタンド、ショップさんにオススメされるまま交換されていると思います。
しかし、プロでも意外と知らない方が多くて、オイルメーカーや販売代理店からの知識だけの人も多いのが実情です。指定のオイルを入れておけばほぼ問題はないのですが、知識があれば色々選ぶ事も可能ですよね~
大きく分けると
- 潤滑
- 冷却
- 防錆
- 密封
- 洗浄分散
という、トラブルのないようにエンジンを動かし続けるためのいろいろな役割があります。
1~5を細かく説明すると、長~くなりますので今回は簡単な基礎の知識をお伝えしたいと思います。
○たくさん並んだエンジンオイルに粘度・規格て書かれているけど分からない。
エンジンオイルのボトルには
SN GF-5/CF 5W-30
なんて書いてありますよね。
これが、規格や粘度を表しています。
知らない人が見てもなんのことやらさっぱりです。
まずはこの意味を理解しましょう、それでおおまかにオイルかがわかります。
SN GF-5/CF この部分は規格の部分です。
SNだけやCFだけ、GF-5だけなど、メーカーによって表示が異なりますが、
これは規格を定めている協会の違いなんですね、API(アメリカ石油協会)やILSAC(日米自動車工業会)などが主流です。日本で販売しているオイルはほぼこの2つです。
それぞれの表示でオイル自体のグレードを決めています。
松・竹・梅みたいな感じですかね~
まず、SN/CF
このマークが入っています。これはAPI(アメリカ石油協会)の規格です。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンで分かれます。
現在では
ガソリンエンジン
SJ→SL→SM→SNの順に、グレードアップ
ディーゼルエンジン
CD→CE→CF→CF-2(→CG-4→CH-4→CI-4→CJ-4)の順に、グレードアップ
※CG-4以降の規格は日本では、排ガス規制達成のコンセプトの違いから、ほぼ需要が無いので出回りません。
次に GF-5
このマークですね、これはILSAC(日米自動車工業会)の規格です。
GF-1→GF-2→GF-3→GF-4→GF-5の順に、グレードアップ
これは簡単です。最後の数字が大きいほどいいグレードのオイルということです。
まとめると
SN だけだと API規格のガソリンエンジンオイル
CF だけだと API規格のディーゼルエンジンオイル
SN/CF はAPI規格でガソリン・ディーゼルエンジンどちらでも使用可能なオイル
GF-5 だけだと ILSAC規格のエンジンオイルとなります。
ですので、
SN GF-5/CF
はAPI規格ILSAC規格の両方の承認を受けたガソリン・ディーゼル兼用のエンジンオイルとなります。
次に表示される
5w-30 この表示は低温時と高温時の粘度を表します。数字が大きいほど粘度が高いことを表します。
SAE(アメリカ自動車技術者協会)規格で決められた規格で、粘度が高いから良いというわけではありません。基本的にはメーカ推奨の粘度を使用するのですが、これはあくまでも新車時の話なんです。
ご自分のお車の使用環境や走行距離などで粘度を変えることできるんです。ただ、このマッチングは非常にデリケートで難しい部分でもあります。これを書いちゃいうと、またまた長~くなっちゃいますので、今回はこの辺で。
○高性能オイルだから自分の車に合うとは限らない。失敗しないエンジンオイル選び。
規格と粘度がある程度理解できてくると、なぜ同じ内容でも価格が違うの?って疑問が出てきます。
俗に言う、高性能オイル等は高価ですよね。
粘度や規格以外にオイルの性能で大きく違ってくるのは、ベースオイルと添加剤の違いです。
これは規格や粘度は関係ありませんので、各メーカや価格帯によって大きく変わってきます。
高性能オイルだからどの車にも、高パフォーマンスが期待できるというわけではありません。
その辺を簡単に
まずはベースオイル
1. 100%化学合成油
2. 部分合成油
3. 鉱物油
この3つに大きく分かれます。
添加剤に関してはそれぞれ各メーカーで色々と研究されています。
100%化学合成油は、鉱物油を化学分解し、尚且つエンジン洗浄や環境を考えた添加剤を化学合成させたオイルです。成分や分子量を一定にしたもので、コストは高いがあらゆる条件化において安定した高性能を発揮すると言われています。
部分合成油は、鉱物油に化学合成油もしくは水素化精製油を20%~30%混合したベースオイルです。経済性と性能を併せ持っているが、耐熱性能などは化学合成油には及ばないと言われています。
鉱物油は原油から精製されたもので、現在最も一般的に普及しているベースオイル。分子量などはバラバラで揃っていないため、組成が破壊され易い。
簡単に言うとこんな感じ・・・
ではこの中から、自分の車にマッチングしたオイルを選ぶのか?
ここが難しいのです。
新車時は推奨オイルが使われています。
その後、街中をあまり回転を上げずにゆっくり走る方、ブンブン回してグイグイ走る方、レースに使用する方
走り方は多種多様です。
日本だけでも、北海道から沖縄まで気温も湿度もバラバラ・・・
これだけの環境の違いがあるのです。
その間にエンジン状態も複雑に変化します。
後、オイル交換のサイクルも違ってきます。
使用環境によって、エンジン内部の摩耗度、汚れの具合も変わってきます。
推奨オイルを入れても、始動性が悪くなったり、燃費が悪くなったりするのはこの為です。
自分の車にあったオイルを詳しく教えてくれるプロを見つけるのが1番なのですが、なかなか難しいのも現状ですよね、少しづつですがご紹介していきたいと思います。
○どんなに良いオイルでも交換時期を過ぎると性能は発揮できません。
前項でも書きましたが、高性能だから良いとは限りません、オイル交換は重要です。どんなに高性能オイルでも、オイルは劣化します。
劣化した高性能オイルは、新品の安い鉱物油よりも劣る時もあります。
使用環境はもちろん、季節にもよります。
当店ではお客様に6ヶ月もしくは5000Km以内での交換をお勧めしています。
当店でエンジンオイル交換直後に、お客様ガソリンスタンドで「そろそろ交換時期ですよって言われた?」て話もあります。エンジンオイルって見ただけではわからないんですよね、手触りや匂いなども重要ですし、データーの管理も重要です。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでも違いますし、エンジンの仕様、排気量なんかでも変わってきます。
オイルの容量なんかでも左右します。
大事なのは、ご自分でどのオイルを使用しているか、いつ交換したかなどを把握されることです。
それだけでも大きく変わってきます(店員の反応も(笑))
いかがでしたでしょうか?
一度ご自分のお車のエンジンオイルについて把握してみてください。
ご相談できるプロがいるなら相談してみてください。
それだけで、お車の寿命や調子が変わることがありますので・・・・
今回は簡単に説明しましたが、今後は掘り下げていきたいと思います。